杣道~街を歌うシンガーソングライターの辿る道~

シンガーとして、ソングライターとして、想ったこと考えたこと。

上手くなるってナンダ⁉️

歌、ギター、ベース、キーボード、作詞作曲、音楽理論、レコーディング、DTM…音楽を「作る」仕事をしてきた結果、完成品として納品するまでの工程をひと通り学んできて、そのノウハウをレッスンを通じて26年間お伝えしてきました。

僕のレッスンでは一番最初の受講の際に、必ず今後のレッスン内容についてのミーティングを行います。

「どんなことがしたいのか?どうなりたいのか?」

具体的な目標がある方は少なく、漠然と「上手くなりたい」というお答えが圧倒的に多いのです。僕も、始めた頃はそうでした。そして、ここに最大の落とし穴があると思います。「上手くなる」とは、具体的にはどんなことを指すのでしょうか?

例えば、「歌えなかった曲が歌えるようになった」とすれば、これは「上手くなった」と言えるのかもしれません。ただ、経験を積むほど歌に対する意識が深まり、始めた頃よりも「欲張り」になることが普通ですし、そうなれば当初の目標は自然と「少し遠のいて行く」ものです。「歌えるようになった」という判断基準そのものが、成長してゆくからです。

そして、その感覚そのものが「上手くなる」ということだと思っています。レベルアップすることで、より多くの課題が見えてくる。それこそが、「上手くなった」証なのです。

何かにちゃんと向き合う以上、「壁」はずっと付いて回ります。レッスンを通じて僕が一番お伝えしたいことは、その壁と「出来る限り仲良くなる方法について」なのです。

なかなか辿り着けない「楽しさ」。音楽には、それがあります。