杣道~街を歌うシンガーソングライターの辿る道~

シンガーとして、ソングライターとして、想ったこと考えたこと。

近所のカフェ。

徒歩3分。お気に入りのカフェがある。

 

決して綺麗とは言えない店内。

無愛想なマスターは、ビートルズが好きらしい。

 

いつも頼むステーキは、胡椒の味しかしない。

スープもサラダも味が濃く、舌の休まる暇もない。

いつ行ってもガラガラなので、潰れてしまいそうだ。

 

僕は、この店が好きだ。

他人にススメる気にはならない。

 

でも、好きだな。

初フラメンコ。

「初」と言っても、踊ったわけではなく…

フラメンコを教えている知人のライブに行った。

 

恵比寿。久しぶりに訪れる。

すっかり様変わりしていて、迷子になる…

 

裏通りにあるスペイン料理のお店は、開演前から熱気が漂う。

僕が慣れ親しんだ「ライブハウス」の雰囲気とはだいぶ違うようだ。

 

開演。スパニッシュギターの音色が、板張りの床の上を走り出す。

ダンサーの激しいステップとのセッションバトルが繰り広げられる。

 

聴き慣れないリズムに寄り添いながら、赤ワインを少しずつ流し込む。

 

未知の世界の広がりを少しだけ感じられた、そんな雨の日曜日。

 

 

 

 

 

「本」の魅力。

初めて一人で店番をした。

心地良い緊張感が走る。

 

音楽(CD)と本が直面している現実は、似ている。

それでもまだ、本が持つ可能性に期待せずにはいられない。

 

「これ、誰が買うの?」

ニッチなものが許容される余地が、まだ残されているから。

 

淘汰されていくものがあるのは、仕方ない。

でも、残ったものが価値が高いわけでもない。

 

だからこそ、裾野の広さが重要かなと。

 

僕もいつか、本を出してみたい。

誰も読んでくれなさそうな本を。

お店のチカラ。

見知らぬ街に着いたら、お店に入ってみる。

ほんの少しだけ、街が身近に感じられる。

 

いきなり見ず知らずの人のお宅に、おじゃまするわけにもいかないし。

気持ち的には、挑戦してみたかったりするけど。

 

店員さんと会話しやすいお店がいい。

居酒屋さんとか。カフェでもいい。定食屋さんもいいね。

 

話題なんか、なくてもいい。

注文するだけでもいいかもしれない。

 

なんとなく、朧げながらだけど。

どんな街なのか?の、手がかりにはなる。

 

人に触れることでしか、その街のことは何もわからない。

人を感じない限り、ただ道路と建物が無機質に連なっているだけ。

 

お店って、他所者にとっては、その街の「顔」なのだ。

宮フォーク村。

20時。夜の宇都宮は初めてだった。

雑居ビルの小さなエレベーターで3階へ…

 

昨日の僕の記事、他人の「場」。

宇都宮のアコースティックライブバー「宮フォーク村」さんについてのものだった。

 

今日もまだ、心地良い余韻の中にいる。

 

ホームもアウェーも関係ない。

音楽が好き。それだけですぐ打ち解けることができる。

 

京都のライブハウス「モダンタイムス」さんでも感じた心地良さ。

キーワードは、シンプルだけどいちばん強い。

 

「愛情」

 

また寄らせていただきますね。

 

 

他人の「場」。

自分の場を持つと、他人の場に対する見方が変わる。

 

なにげなく立ち寄ったお店。

マスターは、僕と同い年のシンガーソングライター。

共通点はかなり多い。

 

常連客の、マスターに対する愛情が深い。

彼の歌を、本当に楽しみにしている「熱」が伝わってくる。

 

何曲か歌わせていただいた。

常連さんのバックでも弾かせていただいた。

 

とても喜んでくれた。それが僕の原動力になる。

 

様々な想いが浸み込んだような壁。

それぞれの「歌」が、響きわたる。

 

心地よい「場」が、たくさんのことを教えてくれる。

 

 

「愛の街から」

父が良く聴いていたラジオ番組。

エフエム東京(現TOKYO FM)「愛の街から」。

 

カセットテープに録りためてあったものを、貪るように聴いていた。

僕が小学生の頃の話。

 

様々な街を舞台に、大人の男女の物語が音楽と共に綴られる。

恋愛の機敏なんてわからなかったけど、少し背伸びして聴いていた。

 

想像力を心地良く刺激される感覚。

ラジオというか「音声」が持つ懐の深さ。

 

一度、ちゃんとラジオ番組を作ってみたくなった。